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「経審ってウチに関係あるの?」と思っていませんか?
「ウチは元請けと付き合い長いし、大丈夫だろう」
「経審って公共工事をやる人の話でしょ?」
そんな風に考えていた市川市の塗装業者の社長が、ある日元請けからこう言われました。
「経審の点数、出せますか?今後の発注の条件になるかもしれません」
この一言に冷や汗をかいた、という話を最近よく耳にします。
建設業界では、今“選ばれる下請け”の基準が変わってきています。特に元請けや大手企業は、信頼性・書類整備・法令遵守を重視する流れを強めており、「経審(経営事項審査)」の有無が仕事の受注に直結することも少なくありません。
実際、令和5年度の国土交通省のデータでも、建設業許可数は増加傾向にある一方、経審の受審件数は横ばい~微増を続けており、「受けている企業とそうでない企業の差」がはっきり出始めています。
市川市周辺でも、民間工事で経審点数を求められたという事例が複数報告されており、公共・民間を問わず「信用を数値で示せるかどうか」が重要視されている状況です。
この記事では、市川市や千葉県内で建設業を営む方に向けて、「経審ってなに?」「ウチも必要?」と感じている方の疑問にお応えしながら、元請けからの信頼を守るための3つの対策をご紹介します。
経審は“公共工事のためだけ”ではない時代に
市川市の設備工事業者さんの話です。
長年同じ元請けと付き合ってきたにもかかわらず、あるタイミングで発注数が激減。
理由を聞くと「経審を受けている業者を優先する方針になった」と言われたそうです。
経審(経営事項審査)は、もともと公共工事に参入するために必要な審査制度です。
ですが今では、民間でも「信用の見える化」のツールとして活用されています。
実際に、大手デベロッパーや官民連携プロジェクト(PPP/PFI)でも、下請け・協力会社に対して「経審評価結果の提出」を求めるケースが増えています。元請けにとっても、点数や評価項目が揃っている業者は「リスクが少ない」と判断されやすく、結果的に選ばれる確率が高くなるのです。
特に下記のような場面で、経審の有無が問われやすくなっています。
- 元請けが大手や公共関連事業者
- 発注額が1,000万円を超える大型案件
- 継続的な契約や長期プロジェクト
また、経審は単なる申請作業ではなく、「経営状況」「技術力」「工事実績」「コンプライアンス対応」など、事業全体の状態を数値化するものでもあります。
つまり、経審を受けている=一定以上の管理体制が整っているというメッセージを対外的に示す効果もあるのです。
元請けの信頼を勝ち取るための3ステップ
自社の情報を棚卸しして「整っている会社」に
まずは、自分の会社の状態を“見える化”するところから始めましょう。
以下の情報が揃っているかをチェックしてみてください。
- 建設業許可の種類と更新状況
- 専任技術者や経営管理責任者のキャリアや資格
- 過去3年の工事実績(工種・金額)
- 財務状況(決算内容・自己資本比率など)
このような項目は、経審の準備だけでなく、金融機関への信用資料や、補助金・助成金の申請資料にも転用できます。
実際に、市川市内の内装業者さんでは、こうした情報整理を進めたことで、
「経審+補助金+資金調達」という“攻めの経営”に活用できたという成功例も出ています。
経審に必要な書類を知って、早めに準備
実際に経審を受ける際には、以下のような書類が必要になります。
- 工事経歴書(施工金額明細)
- 財務諸表・税務申告書類
- 技術者・役員の資格証など
これらの書類は、一見複雑に思えるかもしれませんが、
「一度整えておけば、毎年の更新や制度利用にスムーズに応用できる」資産になります。
行政書士は、これらの収集・整備・要件整理に加え、
どの項目で点数が上がりやすいか(経営規模・技術力・社会性など)についての戦略的なアドバイスも可能です。
また、事前に“点数シミュレーション”を行い、
「今どれくらいの評価が出せそうか?」「今後どう改善すべきか?」を具体的に数値で把握できます。
信頼される資料をつくって「見える信用」をつける
最後に、元請けに提出する書類やデータも非常に重要です。
以下のような資料が揃っていることで、安心感を与えることができます。
- 経審の結果通知書(評点)
- 建設業許可証の写し
- 技術職員一覧表
特に最近では、こうした資料をデジタル化(PDFやクラウド管理)して、
見やすく整えた形で提出できるかどうかも「対応力」として見られることがあります。
元請けの立場に立てば、「書類が揃っている=信頼できる」と自然に感じるもの。
仕事を任せたくなる“安心感”を届けるためにも、書面での備えは効果的です。
「整っている会社」が今後ますます有利に
これからの建設業界では、「腕がいい」だけでは通用しない場面が増えていくでしょう。
元請けや発注者は、法令順守や書類の整備を重視する傾向が年々強まっています。
逆に言えば、今から準備すればライバルより一歩先に出られるということです。
建設業は現場が忙しい分、「書類系は後回し」「うちは小規模だから」と対応を遅らせがちです。
しかしその“後回し”が命取りになる場面は少なくありません。
ある市川市内の塗装業者では、経審を受けていなかったため、
元請けから継続発注を打ち切られてしまったケースもありました。
書類が整っていなかっただけで、「信頼が揺らぐ」。
そのリスクに先回りして備えることが、今求められています。
経審の点数が気になる方へ
「ウチも経審、受けたほうがいいのかな?」
「元請けに出せる資料、ちゃんと揃ってるかな…?」
そんな不安がある方は、まずは気軽にご相談ください。
資料を用意できなくても大丈夫。
ざっくばらんに状況をお話しいただくだけで、改善のヒントが見つかります。
市川市密着の行政書士として、
地域の建設業者さまを全力でサポートしています。