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〜建設業者が知らない“資本性借入金”の威力〜
「経営事項審査、うちには関係ないって思ってました」
そんな声を、市川市内の中小建設業者の方からよく耳にします。
確かに、公共工事を受注していない企業にとって、経審(経営事項審査)はどこか遠い存在かもしれません。でも、今、ちょっとした“資金の見せ方”次第で、経審の評点がグンと上がる制度改正が始まろうとしているのをご存じでしょうか?
そのキーワードが「資本性借入金」。
2025年7月から、これが“負債”ではなく“自己資本”として扱われるようになり、経審の点数(特にX評点・Y評点)に直結する仕組みへと見直されることが、国土交通省から正式に発表されました。
資本性借入金は、毎月の元本返済が不要で、返済順位も後回しになる「劣後ローン」。帳簿上は借入金でありながら、財務体質が強化されたように見せることができるという、実はスグレモノの制度なんです。
でも——
「どの金融機関で借りられるの?」
「どうやって“自己資本扱い”にできるの?」
「そもそもウチが対象になるの?」
そんな疑問を持つ中小建設業者が、市川にはまだまだ多くいらっしゃいます。
だからこそ、地域に根ざす行政書士として、建設業者の皆さんにこの情報をわかりやすく届けたい。
経審を“点数競争”ではなく、“経営強化のツール”として活かしてほしい。
それがこの記事の目的です。
次章では、実際に市川の建設業界で起きている「現場の声」とともに、こうした制度の活用余地を一緒に見ていきましょう。
経審?知らん。でも点数で仕事が変わるってホント?
〜市川の現場から聞こえる“リアルな声”〜
「うち、経審とか受けてないっすよ。点数って、あれ国の仕事受けるとこだけでしょ?」
——これは、市川市内で多能工を10人抱える建設会社の社長がこぼした一言です。
たしかに、経営事項審査(経審)は、公共工事を請け負う際に必須となる制度で、国や自治体からの発注を目指す会社にとっては“通らないと仕事が取れない”大前提の審査です。
でも実は最近、「点数を上げる=信用が上がる」という見方から、民間工事しか扱っていない建設会社でも、金融機関との取引や元請からの評価を意識して、経審に取り組むケースが増えています。
特に今、地場中小の建設業者さんたちが直面しているのは…
- 「資金繰りがカツカツで、仕入れ先の支払いがきつい」
- 「金融機関に融資を頼んでも、『決算書が弱いですね』と言われる」
- 「元請から『経審やってる?』と聞かれてドキッとした」
そんな「なんとなく経営が不安定に見られてしまう」現実です。
📍実例:市川の解体業A社(従業員15名)
- 設立7年目のA社は、市川市内を中心に解体工事を請け負う地域密着の企業。
- 昨年から公共工事を視野に入れ、経審に挑戦。
- 初回のY評点が思ったよりも低く、金融機関からもやや警戒される状況に。
- そこで行政書士のサポートを受けて、「資本性借入金」の導入を決断。
- 経審のY評点が上昇し、公共工事の受注にも前向きな兆しが見え始めた。
A社のように、もともとは民間オンリーだった企業が、“財務の見せ方”を少し変えただけで、受注や融資の選択肢が広がることもあるんです。
特に今回の制度変更では、自己資本が少ない中小建設業者ほど有利になる仕組みになっています。つまり、「今まで点数が伸びなかった企業ほどチャンスがある」というわけです。
「知らなかった」ではもったいない。
そして「ウチには関係ない」で済まされる時代は終わりつつあるのかもしれません。
「資本性借入金」って、実際どういう仕組みなの?
〜行政書士がやさしく解説する“財務改善の裏ワザ”〜
「資本性借入金って、何がどう違うの?」
「ホントにウチの点数が上がるの?」
こうした疑問に、行政書士の立場からお答えします。
「借入金」なのに「資本」として見てもらえる?!
資本性借入金は、借金なのに、自己資本として扱ってもらえるという、ちょっと不思議な仕組みです。帳簿上は「負債」ですが、以下のような条件を満たすことで、“資本に準ずるもの”と見なされるんです。
✅ 主な条件
- 償還期限が5年以上(長期で一括返済が前提)
- 元本返済は原則ナシ(または後回し)
- 企業が倒産した場合、他の借入より返済順位が下がる(劣後する)
- 利息のみ支払い可能(キャッシュフローに優しい)
要するに、「銀行から見たらリスクの高い貸し方」をしてもらうことで、企業の“体力”を底上げして見せられる仕組みなんです。
経審での扱いが2025年7月から大きく変わる!
今年7月から、国土交通省は経営事項審査のルールを見直し、資本性借入金を“自己資本”にカウントできるように変更します。具体的には以下の点で、評点がアップします。
⬆ 上がる可能性がある項目(経審)
- Y評点:自己資本比率/負債回転期間/自己資本対固定資産比率
- X評点:自己資本額(経営規模点)
これはつまり、数字の見え方が変わる=会社の“評価が変わる”ということ。
元手がないように見えていた会社でも、資本性借入金を活用すれば「自己資本がしっかりある企業」に見えるわけです。
導入には“証明書類”が必要です
ただし、この制度を使うにはちょっとした準備が必要になります。
- 資本性借入金であることの証明 → 公認会計士・税理士・建設業経理士1級のいずれかによる証明が必要です。
- 経営状況分析申請書への記載 → どれだけを自己資本に含めるか、根拠資料を添えて提出します。
このように、制度を正しく理解し、要件を満たす資料を整えることが大切です。
行政書士としては、これらの制度変更に関する書類の整備や、経審全体の流れをふまえたコンサルティングが可能です。建設業者さんにとって“難しくて後回し”になりがちな部分を、一緒に整理していくのが僕たちの役目です。
点数アップだけじゃない!資本性借入金を“味方”にする方法
〜市川の建設業者が明日からできる3つのステップ〜
ここまで読んで、「資本性借入金って良さそうだけど、ウチでも使えるのかな?」
そう思った方も多いのではないでしょうか?
安心してください。制度は難しく見えますが、行動に移すための第一歩は意外とシンプルです。
市川市で活動する行政書士として、現場目線から「明日からできる3つのステップ」をご提案します。
①まずは“借入の中身”を確認する
資本性借入金は、すべての借入金が対象になるわけではありません。
以下のようなポイントをチェックしてみてください。
- 返済期間が5年以上あるか?
- 元本返済が一括(または後回し)になっているか?
- 契約書に「劣後ローン」などの記載があるか?
☑ 日本政策金融公庫の「挑戦支援資本強化特例制度」や「災害対応型劣後ローン」などは該当する可能性が高いです。
「よくわからない」という方は、借入先の銀行や公庫に「これ、資本性借入金ですか?」と尋ねてみるだけでもOKです。
②証明してくれる専門家を探す
経審で資本性借入金を自己資本と認めてもらうには、次の専門家の証明が必要です。
- 公認会計士
- 税理士
- 建設業経理士1級
「知り合いがいない…」という方、ご安心ください。
行政書士として、提携先の専門家をご紹介し、スムーズな連携と資料整備をサポートします。
③経審の前に“根拠資料”を整える
証明を受けたら、いよいよ経営状況分析申請書の準備。
ポイントは以下の通り。
- 「自己資本とみなす金額」の明記
- 借入契約書や証明書の写しを添付
- 3月31日以降の決算が対象(2025年7月以降の申請から適用)
💡注意点:見せ方を間違えると、逆にマイナス評価になるリスクも!
行政書士として、必要書類の整理・記載方法・金融機関との調整も含め、フルサポートが可能です。
💬 実際の相談シーンではこんな流れです
- 「最近、銀行の評価が厳しくて…」
- 「資本性借入金、活用できるか一緒に見てみましょう」
- 「必要なら会計士と連携して、申請書まで仕上げます」
このように、“一人で抱え込まないこと”が最も大切です。
「知ってるだけ」じゃもったいない。今こそ一歩踏み出すとき
〜未来の自分を“楽にする選択肢”、あります〜
建設業界は、今もなお人手不足、物価高、制度変更と、いくつもの課題に囲まれています。
その中で、「経審」や「資本性借入金」といったワードは、どうしても“経営に余裕がある会社向け”と思われがちです。
でも本当は、その逆なんです。
資本性借入金こそ、手持ちの資金に余裕がなくても、“未来の信用”を作るための手段。
制度の波に飲まれるのではなく、“波に乗る”ことが、これからの中小建設業者に求められています。
🛠 中小建設業者こそ、活用すべき制度
- 公共工事を考えていなくても、金融機関の評価が変わる
- 今すぐの売上に直結しなくても、将来の取引条件が変わる
- 一度整備しておけば、次回の経審がずっとスムーズになる
これは「上場企業のための制度」ではありません。
むしろ、市川市のような地域で頑張る職人会社、現場主義の社長さんたちのためのチャンスなんです。
🤝 「まずは話してみる」から始めませんか?
松野行政書士事務所では、建設業に特化した許認可・融資支援を専門に扱い、
元自衛官 × 行政実務経験 × 地域密着という立場から、現場目線のサポートを心がけています。
- 経審の点数アップを狙いたい方
- 資本性借入金の導入や金融機関との調整で悩んでいる方
- 自社の財務状態を「少しでも良く見せたい」と考えている方
どんなきっかけでも構いません。
あなたの「今の不安」を、5年後の「安心」に変えるお手伝いをさせてください。
「制度を知っていたら、もっと早く対策できたのに」
そうなる前に、今できる小さな一歩を、一緒に踏み出していきましょう。