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地元・市川市でも他人事ではない、インフラ老朽化のリアル
「えっ、あの道が突然陥没…?」
そんなニュースに驚いたことはありませんか?
最近、埼玉県八潮市で実際に起きた道路陥没事故が大きな話題になりました。国土交通省はこれを重く受け止め、道路とその下を通るインフラを“一体的”に点検・管理していく方針を打ち出しました。
これ、決して他人事ではありません。私たちが暮らす千葉県市川市でも、同じような地盤やインフラの老朽化リスクは十分にあります。そして最も現場に近いのが、建設業に携わるみなさんなんです。
「うちは下請けだから関係ない」
「インフラなんて役所がやることだろ?」
そう思っている方ほど、今こそ知ってほしいことがあります。
なぜなら、建設業者が「インフラと共に街を守る担い手」として見直されている今こそ、
許認可・技術・信用のすべてが問われる時代に突入しているからです。
この記事では、そんな今だからこそ知っておきたい「建設業許可」と「見えないリスクへの備え」について、行政書士の視点からわかりやすく解説していきます。
次回は、実際の現場で起きている“ヒヤリとした話”を掘り下げてご紹介します。
きっと「うちの現場でもあり得るかも」と、背筋が伸びるはずです。
「あれ…地面が沈んでる?」——市川の現場で起きたヒヤリ体験
見えない地中の問題が、現場を止める
市川市内で舗装工事を請け負ったある建設業者の話です。
いつも通り、道路の表面を剥がして基礎を整える作業を進めていたところ、ユンボ(油圧ショベル)を入れた瞬間、片方のキャタピラがズズッと沈み込みました。
「地面がやけに柔らかいな…」と感じた職長が、作業を即中断して調査したところ、下水道の老朽化による空洞が真下にあったことが判明。もし気づかずに作業を続けていたら、重機ごと崩落していたかもしれない…という、まさにヒヤリ・ハットな体験でした。
「インフラ情報が現場に降りてこない」問題
こうしたトラブルは、市川市に限った話ではありません。
実際、建設現場ではよくある悩みの一つにこんな声があります。
- 「工事前に役所で占用図を見ても、情報が古くて正確じゃない」
- 「地下の空洞調査なんて、公共工事じゃなきゃやらない」
- 「元請けも“とりあえず掘ってみて”って指示するだけ」
このように、現場レベルでは地下インフラの状態が見えないまま施工に入ることが多いのが実情です。
特に中小規模の建設会社や個人事業主の場合、発注元からの情報提供も少なく、「施工管理は自己責任」という暗黙のプレッシャーがあるのではないでしょうか。
事故が起きれば責任は「施工業者」に
仮に事故が起きた場合、
「元請けが情報くれなかったから…」
「インフラのことなんて知らなかったから…」
そんな言い訳は通用しません。
実際には、現場で施工した業者が“安全配慮義務違反”を問われるリスクがあるのです。
つまり、これからの時代、
「地下がどうなっているかを把握する努力」も、建設業の重要な責任の一つになりつつあると言えるでしょう。
「許可を取るだけ」じゃ危ない?建設業と“インフラ管理”の深い関係
「建設業許可」は“現場に入る資格”だけじゃない
「うちは建設業許可をちゃんと取ってるから大丈夫でしょ」
そう思っていませんか?
たしかに、建設業許可は、元請け・下請け問わず500万円以上の工事を請け負う場合に必要な国家資格です。
許可を取得するには、以下のような要件をクリアしなければなりません。
- 経営業務の管理責任者がいること
- 専任の技術者がいること
- 財務基盤(500万円以上の資金力)があること
- 欠格要件に該当しないこと
でも最近は、それだけでは不十分だと感じる現場が増えています。
インフラ事故に備える“法制度”も注目されている
国土交通省が動き出した今回のようなインフラ管理の一体化施策。
道路と上下水道・ガス・電気・鉄道など、地中のインフラと建設業者の「情報共有」が求められるようになってきています。
その背景には、下水道法・道路法・建設業法など複数の法律の連携が必要とされる現場が増えていることがあります。
💡行政書士として押さえておきたいポイント
- インフラ調査・空洞検査の報告義務は今後、地方公共団体でも強化される可能性
- 占用申請・道路使用許可の手続きが複雑化する傾向
- 危険箇所の施工には、事前調査や報告書の提出が必要になるケースも増加中
つまり、「安全に工事をする」だけではなく、法的な準備と手続きの整備も、建設業の責任範囲として拡張しつつあるのです。
法制度の“つなぎ役”としての行政書士
建設業界と行政の間に立ち、
「どの手続きを、いつ、誰がやるのか?」
「リスクを減らすために、どの書類を残すべきか?」
こうした判断をサポートできるのが、私たち行政書士です。
市川市のように、複数の行政機関が関わるエリアでは特に、事前調整や許認可管理が鍵になります。
現場の忙しさで後回しにされがちな書類の管理や、法的リスクの回避。
そこにこそ、行政書士の専門性が活きてきます。
現場を守る“攻めの書類術”──行政書士が伝えたい3つの備え方
「危ない」と思ったら、その現場、書類で守れます
「インフラ情報なんて、結局現場で掘ってみないとわからない」
そんな声をよく聞きます。でも、それはリスクを受け入れているのと同じです。
もし事故が起きたら、調査不足や管理不備を問われ、発注者や元請けとの信頼も失ってしまう可能性があるからです。
そこで今回は、行政書士として“現場で使える”書類・段取り術を3つに絞ってご紹介します。
1. 「道路使用・占用許可」の手続きを“他人任せにしない”
✅ たとえ元請けの名前で出す申請でも、「内容は自社で把握」しておくこと。
- どの道路か?(市道・県道・国道)
- どんな占用物か?(足場、仮設資材、重機、仮設トイレなど)
- 期間と範囲は適正か?
- 空洞調査の有無や、事故時の責任区分は明記されているか?
🧩 ひとことアドバイス
書類を写しでもいいから必ず保管しよう。 トラブルが起きたときの“盾”になります。
2. 現場ごとの“施工記録”を作っておく
✅ 市川市のように地盤が複雑な地域では、現場ごとに「簡易な施工記録」を残す習慣が大切です。
- 着工前の現場写真(特に掘削予定箇所)
- 近隣インフラ情報(占用図があればベスト)
- 異常を感じたときの記録(軟弱地盤、空洞音、沈下など)
- 施工中の突発対応(例:作業中断・調査報告の提出)
🧩 ひとことアドバイス
LINEのグループやチャットでもOK。 後から言った言わないにならない“証拠”になります。
3. 「建設業許可票」だけじゃない、“信頼の見える化”
✅ 建設業許可や経営事項審査の取得状況を「見せる工夫」も効果的です。
- 自社ホームページに、許可番号・取得年月日を明記
- 自社案内資料に「技術者情報」「施工管理体制」を記載
- 官公庁提出用に、建設業許可申請の「副本控え」を常時PDF化
🧩 ひとことアドバイス
「許可がある」ではなく、「きちんと管理されている」と伝えることが差別化に繋がります。
💡困ったときは「書類のプロ」に相談を
これらの対応は一見地味ですが、事故時や入札・融資審査で「差がつく」部分です。
しかも、現場の忙しさの中で後回しになりがち。
だからこそ、私たち行政書士が「段取り」「文書整備」「法的リスクの目配り」をサポートすることで、
皆さんが“本業に集中できる環境”をつくることができます。
「現場を守る力」を、書類とつながりで育てていこう
小さな備えが、大きな信頼につながる時代へ
道路陥没のような事故が起きたとき、注目されるのは「何が原因だったのか?」という技術的な側面だけではありません。
「きちんとした段取りをしていたか?」
「法的な手続きや責任範囲を明確にしていたか?」
——つまり、“信頼の構造”が問われる時代になったのです。
特に市川市のように、都市部で地盤やインフラが複雑に交錯するエリアでは、現場の安全確保と法的整備がセットで求められます。
建設業許可を持っていること。
許可後も、きちんと管理・運用していること。
そして「わからないことは、すぐ相談できる体制があること」。
この3つが揃えば、発注者や元請け、さらには金融機関や自治体からの“信頼とチャンス”が自然と集まってきます。
💬 「行政書士=書類屋」じゃもったいない
私たち行政書士は、ただ書類を整えるだけではありません。
本質は、建設業者の皆さんが“本業に集中できる環境”をつくるサポーターでありたいと思っています。
たとえば…
- 許可取得のための“ヒアリングからの逆算”
- トラブル時の文書整備や行政対応のアドバイス
- 市川市内の制度・ネットワークの活用サポート(商工会や補助金など)
こうした“動くサポート”を、これからも届けていきます。
まずは一度、話してみませんか?
「実は許可の更新、そろそろなんだけど…」
「元請けから“空洞調査”って言われたけど、どう対応すればいい?」
「今の体制で、これからも仕事を続けられるか不安で…」
そんな時は、お気軽にご相談ください。
まずは“話すだけ”でも、未来の選択肢が広がります。
地域と共に歩むパートナーとして、
皆さまの建設業経営を、これからも全力で支えます。